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2011-07-03

2010年新語・変語(ドイツ)

| 09:23

 大変遅くなってしまいましたが、ドイツ語圏の2010年新語・変語をお届けします。

◆ドイツ◆

【新語】

1.Wutbürger 憤怒の市民たち

 政府や政治家が自分たちの頭越しに何でもかんでも決めてしまうと感じ、不満を爆発させる市民の姿が目立ってきた。本来、市民(Buerger)とは穏やかで理性的なものだが、それが感情的な憤怒にとらわれているという、ちょっと皮肉な組み合わせ。


2.Stuttgart 21 シュトゥットガルト21

 上記Wutbuergerの代表例が、このシュトゥットガルト21に反対する人々である。これは、シュトゥットガルト中央駅を中心とした都市再開発事業のこと。近郊の鉄道網を抜本的に改革するため、行きどまりになっている現在の中央駅を廃止して、通り抜けできる構造のものを地下に新設し、あわせて地上部分を商業施設や住宅などに活用する計画で、1980年代半ばから準備が進められていた。そして、2010年2月に着工の運びとなったが、その前年から行われてきた反対派のデモが規模を拡大するとともに先鋭化し、10月には警官隊と衝突して重軽傷者約400名を出した。


3.Sarazin-Gen ザラツィン遺伝子

 ドイツ連邦銀行のティロ・ザラツィン理事が、移民問題を論じた著書"Deutschland schafft sich ab"に関するベルリーナー・モルゲンポスト紙のインタビューで「ユダヤ人に特定の遺伝子がある」と発言。人類学を悪用したナチスを思わせるような言葉が国内外に波紋を広げ、理事解任を求める声が上がった。言論の自由や連邦銀行の独立などが絡み、事は簡単ではなかったが、任免権を持つクリスティアン・ヴルフ連邦大統領の署名をもって、9月いっぱいでの解任が決まった。

【変語】

1.Alternativlos やむを得ない

 増税もやむを得ない、年金受給開始年齢引き上げもやむを得ない……。議論を封じ込める最強の言葉が政界で連発されている。


2.Integrationsverweigerer 融合拒否者

 ドイツにやってきた移民は、ドイツ語やドイツにおける生活情報、法律、歴史などを学ぶ社会融合講座に参加しなければならないが、この義務を果たさない者が少なくない。デメジエール内相は、このような融合拒否者に対する措置を強化して、講座に参加するよう警告しても従わない場合は制裁を加えるべきであると表明した。


3.Geschwätz des Augenblicks すぐに消えるくだらないおしゃべり

 ローマ教皇のイースター礼拝に先立ち、アンジェロ・ソダノ枢機卿がピエトロ大聖堂前に集まった信者を前に「教皇猊下、神の民はあなたとともにあり、最近のくだらないおしゃべりに惑わされることはありません」と述べた。聖職者による未成年者への性犯罪が激しく非難されているときに、それを「くだらないおしゃべり」と言い放ったことに対しては、教会内部からも厳しい声が上がっている。