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独日文芸翻訳クラブ通信 RSSフィード

2008-04-06

『凍える森』

| 17:13

[原題] Tannoed

[著者名] アンドレア・M・シェンケル (Andrea Maria Schenkel)

[ページ数] 198ページ

[発行年月日] 2007.10

[出版社] 集英社文庫

[ISBN] 978-4-08-760542-6

[分類] ミステリー(BL)


 1950年代のある日。「わたし」は、ある村で一家惨殺という悲惨な事件が起きたことを知る。第2次世界大戦直後の夏を過ごしたその村は、まるで平和のオアシスのように穏やかだったのに。現地に赴いた「わたし」は、村人たちから事件についていろいろな話を聞かされる。微妙に食い違う証言の中から浮かび上がる被害者一家の素顔は、そして事件の真相は……。

 1922年に南バイエルンで実際に起こり、迷宮入りとなった事件をモデルにした作品。村人たちが語る証言を一つ一つ積み上げて事件の全貌を明らかにしていくスタイルは、宮部みゆきの『理由』をほうふつとさせる。スタイルだけでなく、冷たいものがお腹に残るような読後感も少し似ている。

 

(春眠)

2007-11-10

"Schneesterben"

| 17:37

[原題] Schneesterben

[著者名] アンネ・シャプレ (Anne Chaplet)

[ページ数] 317ページ

[発行年月日] 2003.09

[出版社] Goldmann Wilhelm GmbH

[ISBN] 3-442-45767-X

[分類] ミステリー(BL)

 


 フランクフルトに近い、ある村に起こった殺人。この村の暗い秘密とどのような関係があるのか……。

 ストーリーは変化に富み、登場人物の心理もよく描かれていて興味深い。真犯人は最後まで見当がつかず、あっと驚く結末だ。もう一つの魅力は、フランクフルトから移り住んで数年という作家パウル・ブレーマーの存在。路上や庭で繰り広げられる村人の生活を優しい目で観察しつつ、自分も住民の一人として村とかかわっていく様子がほほえましい。彼は猫を飼っていて、そのかわいがり方もとても印象的。

 この本でアンネ・シャプレのファンになった。

 本書は2004年にドイツ・ミステリー大賞第2位を受賞。

 

(えりか)