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独日文芸翻訳クラブ通信 RSSフィード

2008-11-09

『人間交際術』

| 18:55

[書名] 人間交際術

[原題] Ueber den Umgang mit Menschen

[著者名] A・F・v・クニッゲ (Adolph Freiherr von Knigge)

[訳者名] 笠原賢介、中直一

[ページ数] 621ページ

[発行年月日] 1993.12

[出版社] 講談社

[ISBN] 4061591037

[価格] 1426円

[分類] 実用(BL)

 


 ドイツにももちろんマナー本はある。それも場面ごとに、ビジネス・クニッゲ、会食クニッゲ、クリスマス・クニッゲとさまざまそろっている。

 マナーのことをドイツ語で「クニッゲ」というのだろうか? 厳密に言えば、そうではない。それでは「クニッゲ」とは一体何なのか。それは、2世紀ほど前のドイツで大ベストセラーとなった本書に由来する。この著者の名アドルフ・フライヘア・フォン・クニッゲから、いつしかマナーやマナー本を「クニッゲ」というようになったというわけだ。

 彼は事業運営から小説の執筆まで多方面に才能を発揮したが、父の遺した莫大な負債を背負い、社交界の花形になっても妬まれて失脚ということを2度も繰り返した苦労人でもある。その彼が、数々の経験を生かして社会のあらゆる階層、属性の人とのつき合い方を事細かに記したのが本書である。

 今でもうなずけることがたくさん書かれているが、すぐに役立つハウツー本というより、波瀾万丈の人生を送った著者のちょっと斜に構えた人間観察を楽しむ本と言える。

 

(春眠)