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独日文芸翻訳クラブ通信 RSSフィード

2010-12-06

サー・ウォルター・スコット文学賞発表

| 22:24

 100人近い会員を擁するドイツの歴史小説家親睦団体クオ・ヴァディスは、2002年に設立されました。以来、年1回の例会ヒストリカの開催や共作の発表などを行ってきましたが、2006年、ドイツ語で出版された歴史小説を対象とするサー・ウォルター・スコット文学賞を創設しました。クオ・ヴァディスがこの分野の嚆矢とする『アイヴァンホー』の著者にちなんで名づけられた同賞の選考に際しては、史実を十分に調査研究しているかという点が重視されます。

 今年は2年に1度の選考の年に当たり、去る11月12日に金賞、銀賞、銅賞がそれぞれ授与されました。受賞者と受賞作は以下のとおりです。なお、日本語タイトルはすべて仮訳です。

◆金賞

ルーカス・ハルトマン(Lukas Hartmann)

 1944年、スイス・ベルン生まれ。フリーライターとして活躍中。


『海の果てまで(Bis ans Ende der Meere)』

 1776年、イギリスの若い画家ジョンは、キャプテン・クックの第3回世界周航に同行した。4年後、ジョンは疲労困憊して帰ってきたが、キャプテン・クックは戻らなかった。一体何が起こったのか?


◆銀賞

ダニエラ・ドレッシャー(Daniela Droescher)

 1977年、ミュンヘン生まれ。本作が初の長編小説。


『ジョルジュ・サルマナザールの光(Die Lichter des George Psalmanazar)』

 台湾の歴史、地理、文化、文字などを紹介し、18世紀初頭のヨーロッパ知識人に歓迎された『台湾誌』。ところが、ここに書かれたことは一から十まですべて真っ赤な嘘だった。実在した希代の偽書作家ジョルジュ・サルマナザールの姿を追う物語。


◆銅賞

シャルロッテ・リネ(Charlotte Lyne)

 1965年、ベルリン生まれ。ロンドンで執筆活動中。


『神の家(Das Haus Gottes)』

 1336年、イギリスの港町ポーツマス。造船業者の息子と結婚したドロシーは、軽薄で浮気者の夫に悩まされながらも双子に恵まれる。ところが、勃発した百年戦争とペスト禍で町は壊滅状態に。そんな中、ドロシーは、妻を殺したとうわさされる舅を恐れつつも慕うようになっていく。


【参考】

2008年

◆金賞 アンドレアス・イスキエルド(Andreas Izquierdo) 『アルバニア王(Der Koenig von Albanien)』

◆銀賞 ヴォルフガング・モック(Wolfgang Mock) 『シンプロン(Simplon)』

◆銅賞 ティトゥス・ミュラー(Titus Mueller) 『神秘(Das Mysterium)』


2006年

◆金賞 マルクス・オルツ(Markus Orths) 『カタリーナ(Catalina)』

◆銀賞 レベッカ・ガーブレ(Rebecca Gable) 『ばらの守人(Die Hueter der Rose)』

◆銅賞 ペーター・プランゲ(Peter Prange) 『エミリー・パクストン嬢(Miss Emily Paxton)』

2010-10-10

2010年ドイツ書籍賞発表!

| 20:08

 今年もフランクフルト・ブックフェアの開催に先立って「ドイツ書籍賞」が発表されました。今年の受賞作は Melinda Nadj Abonji(メリンダ・ナジ・アボーニ――カタカナ表記未確定)著 "Tauben fliegen auf(未訳・仮邦題:鳩が飛び立つ)" です。同賞初のスイス人受賞者で、同作品は2010年11月に発表予定のスイス書籍賞にもノミネートされています。

 旧ユーゴスラビア・セルビアのハンガリー語圏で生まれ、幼少のころに家族とともにスイスへ移住し、帰化した著者自身の原体験がもとになっていて、移住先でカフェテリアを営む両親と二人の娘、旧ユーゴスラビアの様々な地域からきた従業員らの日常を通し、移民として新天地で生活すること、多民族国家として複雑な歴史をたどる旧ユーゴスラビアの国々、移住してもなお切り離すことのできない祖国との関係が中心テーマの物語とのことです。

 ドイツ書籍賞の詳細はこちらのホームページから。

2009-11-01

ヘルタ・ミュラー邦訳、急遽出版決定

| 02:33

 今年のノーベル文学賞は、ルーマニア出身のドイツ人作家ヘルタ・ミュラーが受賞した。邦訳として唯一出版されていた『狙われたキツネ』(三修社)は受賞時には品切れとなっていたが、11月中旬に新装版として急遽出版されることになった。

☆『狙われたキツネ 新装版』をアマゾンでチェックする

 これを機に、他の作品も邦訳が出ることを期待したい。

2009-10-17

2009年ドイツ書籍賞発表!

| 13:54

 今年もフランクフルト・ブックフェアの開催に先立って「ドイツ書籍賞」が発表になりました。今年の受賞作は Katrin Schmidt 著、"Du stirbst nicht(未訳・仮邦題:あなたは死なない)"です。

 脳溢血で言語と記憶を失った女性が、少しずつ失った過去やことばを取り戻していく過程を描いた作品で、著者自身の体験とも重なる物語とのことです。

 ドイツ書籍賞の詳細はこちらのホームページから。

2009-07-21

2009年ドイツ映画祭

| 17:31

 ドイツ映画祭が今年も東京で開催されます。10月15日(木曜日)から10月18日(日曜日)まで新宿バルト9にて。詳細は9月上旬発表予定です。

詳細はこちらの公式HPまで。