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独日文芸翻訳クラブ通信 RSSフィード

2005-08-21

"Dschungelkind"

| 03:53

[原題] Dschungelkind

[仮題] 石器時代から来た女の子(未訳)

[著者名] ザビーネ・キューグラー(Sabine Kuegler)

[ページ数] 346ページ

[発行年月日] 2004年

[出版社] Droemer

[ISBN] 3-426-27361-6

[価格] 2690円(税込)

[分類] ノンフィクション

 



 著者は、ジャングルの中で石器時代のままの生活をする現地人とともに12年間過ごした。本書は、その子供時代の体験をつづったものである。両親は発展途上国援助員として、インドネシアに属するニューギニアの西半分、ウェスト・パプアに移住した。著者ザビーネ5歳、姉7歳、弟3歳がいっしょだった。ジャングルの奥深くに住んでいて、文明と接触がなく、人食い族だといううわさのあるファユ族のもとだった。ファユ族は4つの村から成り、村同士は常に戦争状態にいて、絶滅が懸念されていた。両親は彼らに「許すこと」を身をもって示し続けたため、次第に受け入れられていく。意味のない殺し合いはなくなり、現地の子供たちは遊ぶことや笑うことを覚えた。

 この本に引き込まれるのは、著者の一つ一つの体験談にもよる。額をすり合わせる挨拶で迎えられたり、ファユの子供たちと芋虫の蒸し焼きを食べたり、パンの木の実を食べたり、弓矢を使ったり、豪雨の中で危険な目にあったり。しかし、もともと動物や昆虫が大好きだったザビーネは何の苦もなく、ジャングルの生活に慣れていく。17歳で学業のために西欧に戻るが、そこで自らのアイデンティティーに悩み、西欧文明に溶け込むのに苦労する。文明の利器を知らなかっただけでなく、車の行き交う道路を横断するのも恐い。西欧人の常識的な考え方や振る舞い方も一つ一つ習わなければならなかった。


 著者ザビーネ・キューグラー(1972~)はジャングルで子供時代を過ごしたあと、一人でヨーロッパに戻り、スイスの寄宿学校に転入する。大学で経済学を学び、ホテル専門科の勉強をし

たのち、自分の会社を興し、今はハンブルグの近くに4人の子供と住んでいる。 

(えりか)

  

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